エンバーミング (エンバーミング)

エンバーミングとは、遺体を消毒や保存処理したり、必要に応じて修復することで長期の保存を可能にする技法のこと

エンバーミングとは、遺体を消毒や保存処理したり、必要に応じて修復することで長期の保存を可能にする技法のことで、日本語では死体防腐処理または遺体衛生保全と言います。欧米では土葬が基本ですから、遺体から感染症を蔓延することをも目的としてエンバーミングが多く行われています。

エンバーミングに際しては、エンバーマーと呼ばれる葬儀専門の技術者や医学資格を持つ医療従事者によって、化学的・外科学的な遺体処理が行われます。より具体的に説明しますと、エンバーミングは現在、次のような方法で行われています。

1)全身を消毒処理し、洗浄します。

2)遺体の表情を整え、必要に応じて髭を剃るなどの処理が行われます。

3)遺体に少切開(主として頚部など)を施し、動脈から体内に防腐剤を注入します。それと同時に、静脈から血液を排出します。

4)腹部に約1cmの穴を開けて、そこから鋼管を指し胸腔・腹部に残った体液や、腐敗を起こしやすい消化器官内の残存物を吸引し除去します。 それと同時に、これらの部分にも防腐剤を注入します。

5)切開を施した部位を縫い合わせ、事故などで損傷した箇所がある場合にはその部分も修復します。この時、切開を行った部分にはテープ等を貼って目立たなくします。

6)再び全身や毛髪を洗浄して、遺族から頼まれた衣装を着せ、表情を整え直した上で納棺します。

1)~6)のような処理を済ませた遺体は、注入される薬剤の濃度や量によっては、数日~2週間程度までは常温で保存することができます。また、これ以上徹底した処理を行った場合には、保存できる期間を更に延ばすことができまして、防腐剤を交換するなど定期的にメンテナンスをすれば、生前の姿のまま保存展示することすらできます。

上に書いたことからご想像できるでしょうが、エンバーミングのはじまりは古代のミイラにまで遡れます。しかし、近代においてエンバーミングが急速に発展するきっかけとなったのは、1860年代にアメリカで起きた南北戦争であるとされています。なぜなら、当時の交通手段では、兵士の遺体を故郷に帰すために長い期間がかかったので、遺体保存の技術が必要とされたからです。さらに、1960年代のベトナム戦争の際に、南北戦争と同じ理由で、エンバーミングは一層技術的に発展しました。

これに対して日本では、仏教の影響から火葬の慣習があるので、エンバーミングはまだ稀です。ただ、日本以外の国で亡くなった日本国籍の方を日本国内に搬送する場合には、エンバーミングが行われる場合もあります。