盂蘭盆 (うらぼん)

盂蘭盆(うらぼん)とは、ullambana(ウランバナ)というサンスクリット語を音写したもので、単に盆とも言います。

盂蘭盆(うらぼん)とは、ullambana(ウランバナ)というサンスクリット語を音写したもので、単に盆とも言います。「ウランバナ」には「ウド、ランブ」(ud-lamb)の意味があると言われ、これは倒懸(さかさまにかかる)とされてきました。

このため、盂蘭盆は仏教行事の一つとされ、餓鬼道などに落ちて倒懸の苦しみを受けている亡者のために仏事を行うことによって、その苦しみを取り除くことです。盂蘭盆は、もとを正せば中国で始まり、盂蘭盆経に基づいて、苦しんでいる亡者を救うための仏事でした。それが日本に伝わって初秋の満月の晩に行われていた魂(たま)祭りと習合して、祖先霊を供養する仏事となりました。既に斉明天皇3年(657年)には、須弥山の像を飛鳥寺の西につくって盂蘭盆会を設けたという記述があるとのことです。

更に、聖武天皇の天平5年(733年)7月には大膳職に盂蘭盆供養されてからというもの、宮中の恒例の仏事として毎年7月14年に開催され、盂蘭盆供養、盂蘭盆供と呼ばれるようになりました。その後も、奈良・平安時代には盂蘭盆会は公事として毎年7月15日に行われ続け、鎌倉時代には「施餓鬼会」(せがきえ)をあわせ行うようになったそうです。

さらに、江戸時代には7月13日から16日にかけて盂蘭盆会が行われるようになったそうです。盂蘭盆は現在の日本でも、7月15日を中心として祖先の冥福を祈る行事とされています。盂蘭盆では通常、迎え火をたいて死者の霊を迎え、精霊棚(しょうりょうだな)を作って供物をそなえ、お坊さんに棚経(たなぎょう)をあげてもらい、墓参りなどをして、送り火をたいて霊を送ります。もっとも現在では、盂蘭盆を陰暦で行う地方もあれば、一月遅れの8月15日に行う地方もあります。

しかし、地域によって時期が異なるとはいえ、盂蘭盆が日本の文化にしっかりと定着した伝統的文化行事であることは確実ですので、大切にしたいと思います。