2020.12.14
葬儀社の担当者はご家族と一緒に大切な人を送るという職務上、ご家族様にとっても近い存在として覚えていただけることが多々あります。
担当者冥利につきることではございますが、問題がたまに発生したりもします。
私が担当していたAさんのお葬式を終えて、Bさんとの打ち合わせに向かう途中でした。
会社から携帯に連絡がありました。
「私さん、Aさんから連絡です。この番号にかけてほしいそうです。番号は~。」
「分かりました。折り返し連絡してみます。」
Aさんは割とマメな方で打ち合わせ後も式前も何かあるとすぐに会社や私に連絡をしてくださる方でした。会葬人数の細かな変更や挨拶のやり方など、一回の打ち合わせでは決めきれなかったり、聞き漏らすことや後々疑問がわいてくることも多々ありますので、そういった確認の連絡は大歓迎です。
私は、さっきまでAさんと一緒にいたので、その説明に対する補足かなぁと考えていました。
「もしもし、葬儀社、都典礼の私と申します。A様のお電話でお間違いないでしょうか?」
「あ、私さん、良かった。すぐ折り返してくださってお忙しい中ありがとうございます。」
「いえいえ、それで何かございましたか?」
「遅くなりましたけど、やっとうちもお墓に入れることが出来ました。その節はありがとうございました。それでお骨台の返却をお願いしたいのです。」
???
Aさんはさっき葬儀が終わったばかりで、49日も経ってませんし、お骨台も貸した覚えがありません。
「かしこまりました。ちなみに世田谷区のA様でお間違いないですよね?」
「はい。」
???
「念のためどちらに回収に伺えばいいか住所をお教えいただけますか?」
「2年前から変わってませんよ。世田谷区~。」
!!!
2年前にお手伝いしたAさんでしたか!それは確かにやっと納骨したって表現になりますね。
この仕事をしているといろんなお名前の方に出会います。難読な苗字の方にあたり読み方を教えていただいたり、弊社スタッフと同性のお客様をお手伝いしているときに社内連絡がスタッフを指しているのかお客様を指しているのか軽く混乱したりもあります。Aさんはどちらかというとよく聞く系の苗字でしたが、まさか別のAさんの葬儀が終わった日に2年前のAさんから連絡が来るとは正直予想してませんでした。
ちなみに上司であるY氏と同性の料理会社の担当Yさんがいるのですが、別の担当さんあてに電話が来た際に深刻そうな顔をして
「Yさんから連絡来てますよ。」
と引継ぎをするのは私です。皆様ここでお詫び申し上げます。
かしこ