弔辞とは?|書き方やマナーについてご紹介

特別親しかった人が亡くなったとき、遺族から弔辞を頼まれることがあるかもしれません。

弔辞を依頼された場合、基本的には快く引き受けるのが礼儀です。しかし、突然のことで何を書いたらよいか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。

この記事では、弔辞を書くときのポイントや、実際に清書する際の書き方のマナーについて解説していきます。弔辞に使用してはいけない「忌み言葉」などについても紹介しているので、弔辞の代表者に選ばれた方は、ぜひ参考にしてください。

こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。

今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。

目次

弔辞とは

弔辞とは、ご葬儀の際に故人へ捧げるお別れの言葉です。

故人に対する弔いの気持ちを伝える以外にも、遺族の悲しみを慰めることや、故人の人柄や功績を参列者に伝えることなどを目的としています。

弔辞を読む人は、生前に故人と親しかった人の中から遺族が選んで依頼します。遺族から弔辞を依頼された場合は、余程の事情がない限りは引き受けるのがマナーです。あらかじめ話す内容を用紙にまとめ、ご葬儀の場で読み上げた後に祭壇に供えます。

弔辞の内容

弔辞の内容は自由ですが、遺族や他の参列者が聞くことを意識し、マナー違反とならないように注意が必要です。弔辞を書くときのポイントについて、具体的に解説していきます。

弔辞の構成

弔辞の構成は、大きく分けると「語りだし」「故人とのエピソード」「別れの挨拶」の3つで成り立っています。それぞれのポイントについて順番に確認していきましょう。

  • 語りだし

語りだしは、故人へ呼びかけるように語ります。

故人との関係性が分かるように説明し、突然の訃報に対する驚きや、故人の死を悲しむ気持ちをあなたの言葉で伝えます。

  • 故人とのエピソード

故人とあなたとの思い出について語ります。

生前故人から受けた恩義や、故人の人柄が分かるエピソードを語りましょう。あなたと故人の思い出を参列者と共有して、全員で故人を偲べるような内容とするのがポイントです。少数の人にしか伝わらない個人的な内容や、遺族を不快にさせるような冗談は、弔辞の場では避けるのがマナーです。

  • 別れの挨拶

最後は、故人への別れの挨拶やご冥福を祈る言葉でまとめます。

「ご冥福をお祈りします」「どうか安らかにお眠りください」など、宗教や宗派によって使用できる言葉が変わるため、注意しましょう。

弔辞の文字数はどのくらい?

弔辞で話す時間は、一人当たり3〜5分程度とされています。

ゆっくりと聞き取りやすい速度で話した場合、3分で読み上げられる文字数は1,000文字くらいが目安です。これ以上長いとご葬儀の進行に支障が出てしまうため、出来るだけ短くまとめるようにしましょう。

弔辞に使ってはいけない言葉は?

弔辞に、「忌み言葉」や死を直接連想させるような言葉を使うのはマナー違反とされています。

また宗教・宗派によっても使えない言葉があるので、確認しておきましょう。

  • 重ね言葉

重ね言葉は、同じ言葉を重ねた表現を指す言葉です。

死や不幸が繰り返されることを連想させるため、ご葬儀の場で使用するのはタブーとされています。例として「たびたび」「ますます」「しばしば」「重ね重ね」 などがあります。

  • 直接的に生死を連想させる言葉

「死ぬ」「生きる」など、直接的な生死を連想させる言葉もご葬儀の場ではNGです。

例えば「死ぬ」は「亡くなる」「ご逝去」とし、「生きていた時」は「お元気な頃」とするなどして別の言葉に言い換えるようにしょう。

  • 宗教・宗派によって使用しない言葉

ご葬儀の場でよく使われるお悔みの言葉として、「ご冥福をお祈りします」が挙げられます。

「ご冥福」は、「冥土(死後の世界)」の「福(幸せ)」という意味を表す仏教用語で、神道やキリスト教のご葬儀では使用しません。また同じ仏教でも、浄土真宗では亡くなった人はすぐに仏様になるという教えのため、「冥土」の幸せを祈るという考え方はありません。「〇〇さんのご平安をお祈りします」「安らかに眠られますようお祈りいたします」などの言葉であれば、宗教・宗派問わず使用できます。

弔辞の書き方(書式)

次に弔辞の書き方について解説します。

ご葬儀で読み上げられた弔辞は最終的に遺族のもとにわたるため、なるべく丁寧な字で清書しましょう。紙への清書やたたみ方にも決められたルールがあります。

弔辞の書き方のルール

弔辞に書く内容がまとまったら用紙に清書していきます。

奉書紙(ほうしょし)と呼ばれる高級な和紙や、巻紙に薄墨で清書するのが正式な弔辞の書き方です。団体葬や社葬などの規模が大きく、かつ形式を重視するご葬儀では正式な書き方を採用するのをおすすめします。一方家族葬や小規模なご葬儀のように、形式をそれほど重要視しないご葬儀では便せんに万年筆で書く略式の書き方でも問題ありません。

弔辞を書く際は、縦書きで1行目に「弔辞」と書きます。巻紙に書く場合は折りたたんだ時に「弔辞」の文字がちょうど表紙の真ん中にくるように、書き初めに10㎝程の余白をとり、真ん中に「弔辞」と書きましょう。続いて十分な余白を空けて2行目から本文を書いていきます。書き始めや改行したときの一字下げは不要です。また句読点はつけず、代わりに一文字分の空白を入れましょう。本文を書き終わったら最後に日付、肩書(友人代表、など)、氏名を一行ずつ改行しながら書いていきます。日付は本文よりも下の位置から書き始めるようにし、続く肩書や氏名も、だんだんと下の位置になるように書きます。

たたみ方

奉書紙の場合は、書き初めが右上にくるように横長にして置き、左から半分に折ります。そして同じ方向からさらに三つ折りをして、最後に縦に二つ折りをします。

巻紙の場合は、文末の方から10㎝幅に巻き折りします。最後に表の「弔辞」の文字が真ん中になるように折りましょう。

たたんだ用紙は半分に切った大判の奉書紙で包みます。横長に置いた奉書紙の真ん中に本体を置き、右側、左側の順番で三つ折りにします。最後に上下の余白部分を折り、表面の真ん中に「弔辞」と書きます。

まとめ

今回は弔辞の書き方についての内容や書き方のルール、注意点についてご紹介しました。

ご葬儀の当日に弔辞を読む際は、ゆっくりと聞き取りやすい速度と落ち着いたトーンを意識して話しましょう。ですが、弔辞を読んでいる途中に感情が抑えられず、泣いてしまうこともあるかと思います。

大切なのはあなたが故人を心から思い、感謝や弔いの言葉を伝えることです。ぜひあなたらしい言葉で心に残る弔辞にしてください。

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