都内の火葬場でお葬式が早くなった?

目次

都内の火葬場の最新情報

東京都内でお葬式を検討された方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
「代々幡斎場」「桐ケ谷斎場」「堀ノ内斎場」「落合斎場」「町屋斎場」「四ツ木斎場」——これらは、民間の火葬会社である東京博善株式会社が運営する火葬場で、いずれも式場を併設しています。
都内の火葬業務の多くはこの東京博善が担っており、まさに“東京都の葬送インフラ”といっても過言ではありません。

火葬場の式場が倍増、待ち日数が大幅短縮

今年(2025年)9月、東京博善が運営する各火葬場で大きな変化がありました。
それは——貸し式場の数が倍近くに増えたことです。

これまで、人気の火葬場では「早くても5日待ち」「1週間待ち」と言われていた時期もありました。
しかし、式場数の拡張によって待ち時間が劇的に短縮。
現在では、早ければ3日以内にお葬式を行えるようになったのです。

この動きは、利用者にとって大きなメリットであり、「すぐにお見送りができるようになった」と歓迎する声も多く聞かれます。

利便性の裏で深刻化する“駐車場問題”

しかし、一見すると便利になったように見えるこの変化には、大きな落とし穴があります。
それが「駐車場のキャパシティ不足」です。

式場の数は増えましたが、駐車場の拡張は行われていません。そのため、時間帯によっては非常に混雑し、特に次のようなケースで問題が起きやすくなっています。

  • 外部式場から火葬のみを利用する会葬者が自家用車で来場する
  • 家族葬とはいえ親族が複数台の車で来場する
  • 一般会葬者が想定以上に多く訪れる

結果として、親族であっても自家用車は1台が限度、一般会葬の分の駐車場はほぼ無い状態と考えておくのが現実的です。

家族葬時代に合わないアクセス負担

近年は10名前後で行う小規模な「家族葬」が主流となっています。外部の小規模式場で葬儀を行い、火葬だけを博善の火葬場で行うケースも増えています。

ところがこのとき、自家用車を使いにくいというのは、ご遺族にとって大きな負担です。駐車場が満車の場合、近隣のコインパーキングを探す必要がありますが、火葬時間は厳密に決められており、遅れるわけにはいきません
また、式場外周での長時間駐停車は、近隣住民への迷惑にもつながります。

過去にもあった「式場拡張トラブル」

実は東京博善では、過去にも似たようなトラブルがありました。式場を増設した際に、宗教者用の控室を全廃してしまい、大きなクレームに発展したのです。
その後、控室を再設置することで問題は沈静化しました。

今回も、もし駐車場問題が深刻化すれば、何らかの改善が行われる可能性もあります。しかし現時点では、利用者側での注意と配慮が必要な段階と言えるでしょう。

今後の選択肢 ― 臨海斎場や外部式場の活用も視野に

都内の火葬場併設式場が便利になった一方で、駐車場の問題は依然として大きな課題です。多数の自家用車での参列が想定されるお葬式では、次の選択肢を検討するのが賢明です。

  • 駐車場が広い臨海斎場を利用する
  • アクセスの良い外部式場+火葬場利用を組み合わせる

まとめ

火葬場併設型式場の拡張は、待ち時間の短縮という点で大きな進歩です。しかしその裏で、駐車場問題という新たな課題が浮かび上がりました。今後、都内の葬儀を検討する際は、「アクセス」と「駐車環境」も含めた式場選びがより重要になるでしょう。

SNSへのシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
目次