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厚生労働省の2021年12月の発表によると、生活保護を受けている人数は全国で約204万人。
新型コロナウィルスの影響もあり、最近は増加の傾向にあります。生活保護を受けている人の約半数は高齢者であることから、生活保護受給世帯の人が亡くなるケースも増加することが予測されます。この記事では、生活保護受給者が亡くなった時や、喪主となるべき人が生活保護を受給している時に、どのようにご葬儀が行われるのか解説していきます。
こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。
日本国民は、「日本国憲法」の第25条により最低限度の生活が保障されています。これにより、生活保護を受けている人が亡くなった時には、生活保護法に基づいてご葬儀の費用が支給される仕組みになっています。生活保護法の第18条には「葬祭扶助」について、以下の様に記されています。
第十八条 葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
一 検案
二 死体の運搬
三 火葬又は埋葬
四 納骨その他葬祭のために必要なもの
2 左に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。
一 被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。
二 死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。
ここには、ご葬儀の内容とご葬儀の費用が支給される対象者となる条件が書かれており、対象者となるには次の2つの条件のうちどちらかに当てはまる必要があります。
1. 葬儀において喪主となる人が生活保護受給者である
2. 亡くなった人が生活保護を受給しており、ご遺族以外の人が葬儀の手配をする
生活保護受給世帯でどなたかが亡くなられ、同居のご家族がご葬儀を行う場合は1の条件に当てはまります。生活保護受給者が亡くなったが、ご家族がいない、もしくは別居していてご葬儀を行う意思がない場合は2の条件に当てはまり、民生委員や家主によってご葬儀の手配が進められます。
葬祭扶助を利用して行うご葬儀のことを「生活保護葬」あるいは「福祉葬」「民生葬」といいます。生活保護葬の場合の葬儀形式は、通夜・告別式を行わず、必要最低限のご葬儀としてご遺体を火葬場に運び火葬する「直葬」です。。葬祭扶助制度により支給される費用は、以下のようなものに対して支給されます。
・死亡診断書発行費用
・遺体搬送費
・遺体保管費用(ドライアイスなど)
・棺、骨壺の費用
・火葬費用
支給額の上限は、自治体により異なることもありますが、故人が大人であれば206,000円以内、子供なら164,800円以内となっています。
葬祭扶助制度を利用した場合の、手続きや葬儀の流れについて解説していきます。
生活保護受給者が亡くなられたら、民生委員やケースワーカー、役所の福祉課へ一報を入れましょう。
またもし余裕があるようでしたら、事前に相談をしておくと安心です。
葬祭扶助の申請先は、市町村の役所もしくは福祉事務所です。申請者は葬儀を手配する人となりますが、委任状や印鑑などがあれば葬儀社が代わりに申請することも可能です。故人と申請者の住民票の管轄が異なる場合には、申請者の住民票がある自治体で申請を行います。
申請が認められると次は、葬儀社へご葬儀の依頼を行います。役所が葬祭扶助に対応している葬儀社を紹介してくれることもありますが、葬儀社の手配は原則、喪主を務める方がご自身で行う必要があります。
葬儀社に、葬祭扶助を利用して葬儀を行いたい旨を必ず伝えるようにしましょう。
葬祭扶助を利用した生活保護葬を行います。火葬式となるため、通夜・告別式は行われず、僧侶による読経もありません。ご葬儀への参列に関しては、生活保護葬だからといって「ご遺族以外が参列できない」というルールがあるわけではないので、どなたの参列も自由に行っていただけます。
葬儀費用の請求は、喪主にではなく、市町村の役所もしくは福祉事務所に直接行われます。葬儀費用の支払いに関して、葬祭扶助の申請者が行うことは何もありません。
葬祭扶助の利用にあたり、注意する点を4つご紹介いたします。
葬祭扶助の申請を行うのは、必ずご葬儀の前に行うようにしましょう。葬儀費用を立て替えて支払った後や、葬儀社に葬祭扶助を利用してのご葬儀と伝えてないケースでは、葬儀費用の支払い能力があると見なされ、申請の許可はおりません。
生活保護を受けていた故人に、葬儀費用を支払うだけの預貯金や遺品があったと判明した時は、葬祭扶助の支給対象とは見なされません。ただし、葬儀費用全額をまかなえない場合は、不足分が支給されます。
喪主を含む故人の親族の中に、葬儀費用の支払いが行える人がいると、自治体が費用を負担する理由はなくなりますので、申請は認められなくなります。
支払義務者は扶養義務者である子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹です。
また、葬祭扶助の支給額に自己資金をプラスして、葬儀内容を変更することはできませんので注意が必要です。
生活保護を受けている人は、収入を得たら役所への報告義務があります。
香典を受け取った場合はどうなのでしょう?香典は金額の多い少ないに関わらず、収入として見なされることはありませんので役所への報告は不要です。
生活保護を受けている方でも、葬祭扶助制度を利用することで葬儀費用が支給され、葬儀を執り行うことができます。
お金がなく、ご葬儀を行えないと思い込み、亡くなった人をそのまま放置しておくようなことがあれば、死体遺棄などの罪に問われてしまいます。いざという時のために、正しい知識や情報を身につけておきましょう。