神道におけるご葬儀について

神道のご葬儀に参列する際、仏式との違いやルール、マナーなどがわからずに困ったことはありませんか?

仏式に比べて神道(神式)のご葬儀は、全体の数パーセントにとどまっています。
自然と参列する機会も少なくなりますし、戸惑ってしまうのも当然かもしれません。

こちらの記事では

  • 神道のご葬儀に参列する際のルールとマナー
  • 神道におけるご葬儀【神葬祭】
  • 神道のご葬儀で使われる用語

について解説していきます。

お読みいただけましたら、参列する際に慌てずに臨めるようになります。
ぜひ、最後までご覧ください。

こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。

今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。

目次

神道のご葬儀に参列する際は必ず知っておきたいこと

神道のご葬儀において、神道独自の儀式や、知っておきたいマナーがあります。
作法やマナーに不安がなければ、慌てることもなくなりますよね。

  • 手水の儀
  • 玉串奉奠
  • 不祝儀袋の書き方
  • 服装のマナー
  • 使ってはいけない言葉

最初の2点についての作法と、その他のマナーについても見ていきましょう。

手水の儀(ちょうずのぎ)

神社にお参りする時、手と口を清めますよね。
同じようにご葬儀の際も、一番最初におこないます。

作法
①水を汲んだ柄杓を右手に持ち、左手に三回水をかけ、持ち替えて右手も同様におこなう
②左手に水を受けて口に含んですすぐ
③もう一度左手に水をかける

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

仏式でいうところの焼香と同じような役割を持ちます。
一度覚えてしまえば難しくはありません。
玉串を受け取ったら向きを変えて置くのが基本です。

作法
①玉串の根本を右手で上からつかみ、左手は葉先の下を支えて受け取る
②渡してくれた方(神職か係の方)に軽く一礼、台の前まで進み、ご遺族に一礼
③台に向き直り一歩前へ進む
④玉串を立てながら、添えていた左手を右手の下に持ち替える
⑤正面に立たせるように持った玉串を一度顔の前に持ち上げいただく
⑥元の位置に下げた玉串の左側を右手で向こうから持ち、手前に回転させ、左手は手前に添える
⑦根本が自分と反対側に向いたところで台に置く
⑧二礼し、音を立てずにしのび手を二回打ち、一礼する
⑨一歩下がってご遺族に一礼する
※しのび手を打つときは、右手を下に少しずらす

不祝儀袋の書き方

不祝儀袋は「黒白もしくは双銀」で結びきりの水引のもの(白封筒も可)を使用します。
文字は薄墨で、「御玉串料」や「ご霊前」、下部には参列者のフルネームを記載します。

神職へお礼を渡す場合も不祝儀袋を使用しますが、黒白結びきりの水引のものにしてください。
薄墨を使用せず「御玉串料、御祈禱料、御礼」などと記載し、下部には斎主(喪主)のフルネームか、〇〇家と書いてお渡ししましょう。金額については、仏式のお布施と同じ相場で問題ありません。

また、蓮の花が描かれている不祝儀袋は、仏式で使用するための物で、神道では使用できませんので、注意しましょう。

参列時の服装

服装については仏式同様、黒で統一した一般的な喪服で問題ありません。
学生の場合は制服が正式な礼装になります。アクセサリーは、外して参列しましょう。

ネイルについても参列までに落とすか、ばんそうこうの肌色の部分を貼る、ベージュのネイルを重ね塗りするなどして対処しましょう。手袋で隠しても良いのですが、どうしても外す場面はあります。
意外と忘れがちなペディキュアも、ストッキングを履いてどれくらい見えるか、確認しておくと良いでしょう。

使ってはいけない言葉

仏教用語は使いません。


×「お悔やみ申し上げます」
×「ご冥福をお祈り申し上げます」
×成仏、供養

〇「このたびは突然のことで」
〇「御霊のご平安をお祈りいたします」

つい言いがちですが、マナー違反にならないよう気を付けてみてください。

神道におけるご葬儀【神葬祭】

神道でのご葬儀は「神葬祭」といいます。
死は最大の穢れ(気枯れ)とされており、聖域である神社では執り行うことができません。
そのため、神葬祭は自宅や斎場でおこないます。

この項では

  • 神葬祭の意味
  • 神葬祭の流れ

について詳しく説明していきます。

神葬祭の意味

神葬祭をおこなう背景には「穢れ」と「先祖崇拝」という考え方が大きく関わっています。

神道では生命力が衰えた悪い状態を穢れといい、お祓いをすることで清められます。

例えば、茶碗に箸を立てたり、故人の布団を上下逆にするのは、非日常の世界を示しており、神葬祭後に元に戻すことで、日常が戻った事をあらわすのです。

また、神道では祖先が守り神になるという考え方から、故人は神葬祭後に守り神となり、祖霊舎(仏教での仏壇にあたるもの)に祀られ、一族を守る存在となります。

神葬祭の流れ

地域によって異なる場合もありますが、大まかな流れを知っておくと安心です。
神葬祭は、仏式で言うところのお通夜と告別式のように、2日間にわたりおこないます。

  • ご臨終から納棺まで

【帰幽奉告】【神棚封じ】

神棚や祖霊舎(仏教での仏壇)に、亡くなったことを報告し、祖霊舎の扉をしめ、穢れが及ばないように白い半紙を貼ります。

【枕直しの儀】【納棺の儀】
ご遺体に白装束を着せ、白い屏風をたてて北枕に寝かせ、枕元の小机(案という)に守り刀を置きます。
祭壇にそなえるものは、米、水、酒、塩などです。
お清め、死化粧をほどこしたら、棺におさめて花を飾り、白い布で覆い、全員で拝礼します。

  • 神葬祭1日目

【通夜祭】

神職が祭詞を奉上し、参列者は玉串奉奠をおこないます。

【遷霊祭】
別名「御霊移し」
部屋を暗くし、神職が祭詞をとなえ、故人の御霊(みたま)をご遺体から霊璽(位牌)に移します。

終了後は直会の儀(なおらいのぎ)と呼ばれる宴を催します

  • 神葬祭2日目

【葬場祭】

神葬祭のメインとなる儀式で、仏式におけるご葬儀、告別式にあたります。
参列者は手水の儀の後お祓いを受け入場し、祭詞奏上、弔辞の奉呈、弔電の奉読などの後、玉串奉奠をします。

【火葬祭】
火葬前に火葬場でおこなわれる儀式で、神職が祭詞を奏上し、参列者は玉串奉奠をおこないます。

【埋葬祭】
遺骨をお墓に納め、銘旗(故人の名前や職名を記した旗)や花を供えます。

【帰家祭】
火葬場にて骨上げ後、すぐに埋葬しても一旦持ち帰ってもおこなう儀式です。
自宅へ戻り玄関でお清めをし、神職のお祓いを受けてから入ります。
無事に神葬祭が終わったことを奉告し、神職やお世話になった方を招いて直会の儀(なおらいのぎ)を催します。

神道のご葬儀で使われる用語について

よりわかりやすくするため、神道で使用する用語について主なものをまとめました。
カッコ内が仏式での一番近い呼び方です。

神職(僧侶)
斎主(喪主)
霊璽【れいじ】(位牌)
神饌物【しんせんもの】(供物)
玉串奉奠【たまぐしほうてん】(焼香)
霊祭、式年祭(法要)
諡【おくりな】(戒名)
直会【なおえ】(忌中払い)
十日祭(初七日)
五十日祭(四十九日)

もちろん考え方が違う宗教なので全く同じ意味に置き換えられるわけではありませんが、イメージとして持っておくといいでしょう。

まとめ

神道のご葬儀について、流れやマナーをご紹介しました。

今回得た知識やマナーを活用して、堂々と神葬祭や式年祭に参列して頂ければと思います。

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