「終末期」とは?あなたができること、やれることについて解説します。

こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。

この記事では、終末期を迎えた人に対して家族ができることを紹介しています。「終末期の家族に自分は何をしてあげられるだろう」そう悩みながらこの記事にたどり着いたあなたには、まだ時間があります。患者と家族がなるべく後悔を残さないように、終末期を少しでも穏やかな気持ちで過ごすための参考にしていただければ幸いです。

目次

終末期とは

公益社団法人全日本病院協会による「終末期医療に関するガイドライン」では、終末期の定義が定められています。簡単にまとめると、終末期とは、医師が回復の見込みがないと判断し、患者とその家族や関係者が納得し、死を予測して対応を考えるという3つの条件がそろったときのことを指すようです。

終末期は、救急救命の場合は発症から数日以内となりますし、ガンや難病の場合なら、1〜2ヶ月になることもあり、期間の長さは人それぞれです。医療の選択の判断は、基本的には患者本人の意思が尊重されますが、本人の意識がない場合は家族に委ねられます。

終末期に家族ができること

終末期となると「何もしてあげられることがない」と家族は無力感を感じるかもしれません。しかし、家族だからこそできること、してあげられるケアはあります。終末期に見られる症状を知った上で、自分にできることは何なのか考えてみてください。

終末期に見られる症状を知っておく

終末期を迎えた方には、共通して見られる症状があります。初めて目にするときに慌てることなく落ち着いて対処ができるよう、いくつかの症状についてあらかじめ知っておくことが大切です。

まず、体力が落ち臓器機能が低下するので、眠る時間が増えていきます。最後の1週間前にもなると、1日のうちのほとんどを眠って過ごすようになります。ぐっすりと眠るというよりは、うつらうつらという感じで、夢もたくさん見るようです。

ガン患者の場合は、約7割の人が終末期せん妄を体験すると言われています。これまで穏やかな性格だった人でも、突然暴力的になったり、暴言を吐くようになったりすることがあるので、ショックを受ける家族も多いようです。せん妄には、過活動型せん妄と低活動型せん妄があり、両方の症状が見られることもあります。

また、気管の縮毛運動が弱まり痰が増えることで、呼吸のたびにゴロゴロと音がするようになります。家族が心配して吸引を希望することも多いようですが、吸引は苦痛を伴うので必要以上にやるのはあまりよくありません。ゴロゴロという音が苦しそうに聞こえても、本人は周りが心配するほど痛みや苦しみを感じていないそうです。

いよいよ最後のときが近づくと、尿が出なくなり、顎を上下に動かして呼吸をするようになります。下顎呼吸は、残された時間があと24時間程度であるという一つの目安として把握しておきましょう。

いざというときの話をしておく

しかるべきときが来た際に落ち着いて行動するためにも、いざというときの話は前もってしておくことが重要です。たとえば、最後はどこで迎えるか?延命治療はどこまで行うか?財産の相続はどうするか?ご葬儀はどのように執り行うのか?これらの事柄について、本人の意見を聞きながら、場合によっては専門家も交えて家族間で話し合っておく必要があるでしょう。

中には「死を待っているみたいでいい気持ちがしない」と思われる方もいるかもしれませんが、死は誰にでも訪れるものです。いざというときのことを決めておくのは、その人らしく最後まで生きるために大切なことではないでしょうか。

自分のことを疎かにしない

看病をしていると、自分のことは二の次になってしまう方がいます。看病でいっぱいいっぱいになってしまうと、イライラして患者本人や周りに当たってしまう、なんてことも起きかねません。

「家族がつらい思いをしているのに自分だけ楽しめない」といった考えは危険です。たまにはあなたや家族の息抜きも必要です。まずは自分のことを満たしてあげないと、他人を思いやることはできないと肝に銘じておきましょう。

悩みや不安があるときは、抱え込まずに周りにいる人に相談してください。たくさんの終末期の患者や家族と関わった医師や看護師なら、参考になるアドバイスをくれるかもしれません。

また、SNSなどのインターネットを通じて、同じような境遇の人とつながり、あなたの思いの丈を発信することが心の支えになる場合もあるでしょう。

終末期の本人に家族がしてあげられること

終末期の方が受けられるケアに、終末期ケアというものがあります。終末期ケアは、身体的なケア、精神的なケア、社会的ケアの3つに分けられます。ここでは患者本人にしてあげられる身体的ケアと精神的ケアについていくつか触れるので、参考にしてください。

身体的ケア

終末期になると、当然ですが食欲が落ちていきます。食事でのケアでは、無理に食べさせる必要はありませんが、たとえば細かくしたり、すりつぶしたり、味付けを変えてみたりという工夫をすると、食べられる場合があります。

体に痛みを感じるときは、まずは薬を使うのが基本です。しかし他にも、家族は手でさすったり、湿布を貼ってあげたり、温めたり冷やしたり、少し体を動かしてみたり、といったことをしてあげられます。また、床ずれを防ぐために、こまめに姿勢を変えてあげてください。

精神的ケア

本人に意思があるうちは、どんなことがしたいのか?何を食べたいのか?誰に会いたいのか?本人の言葉をよく聞いて、やりたいことはできるだけ叶えてあげましょう。

家族を亡くした方の後悔で多いのが「もっと話を聞いておけばよかった」というものです。話をすることは患者自身の心のケアにもなりますが、残された家族の後悔を少なくするためにも、どんな人生を歩んできたのか、何が好きだったのかなど、たくさん話を聞いてあげるといいでしょう。

たとえ本人の意識がなくなっても、耳は最後まで聞こえると言われています。最後までたくさん話しかけてあげてください。普段通りの家族同士の会話を聞かせてあげるのもいいでしょう。たわいのない話をしている家族と一緒に過ごすことが、患者にとって心の安らぎになる場合もあります。

まとめ

終末期の短い期間の中でも、家族ができることはあります。人はどんな選択をしても「ああすればよかった」「こっちにしておけばよかった」と後悔するものです。そのことを理解しつつ、家族で話し合ってより良い選択肢を選んでいけたらいいですね。

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