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曹洞宗は禅宗系の宗派の1つです。
他の禅宗系のご葬儀とはどう違うのか、喪主や当家になられた方の曹洞宗のご葬儀の考え方やマナーなどを、初心者の方にもわかりやすく丁寧に紹介していきます。
これから曹洞宗にお参りに行かれる参列者になる方も、焼香や用意する数珠や香典などの参列者のマナーも紹介していくのでぜひ参考にしてください。
こんにちは、八王子市・日野市・世田谷区で安心のご葬儀・家族葬のお手伝いをする葬儀社、都典礼(みやこてんれい)です。
今日もご葬儀に関する疑問、悩みの解消に役立つ情報をお伝えします。
曹洞宗とは、中国から伝わる禅宗の五つのうちの一つです。中国では初めは「洞曹宗」と言われていたものが、語呂合わせの都合で「曹洞宗」となったのが曹洞宗の呼び名の定説の1つとなっています。
日本での曹洞宗は道元(どうげん)が鎌倉時代に伝えたのが始まりとされ、瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)が日本全国に広めたのが今の日本の「曹洞宗」となります。
大本山は福井県吉田郡永平寺町にある永平寺と神奈川県横浜市鶴見区にある總持寺(そうじじ)の2つとされています。
曹洞宗は日本では推定800万人の信徒がいるとされ、約1万5000の寺院が日本にあるとされています。これは禅宗系の宗派とされる信徒の数では約12%とされており、仏教宗派の中では4番目に多い割合になります。
曹洞宗のご葬儀は、他の仏教宗派のご葬儀に比べてかなり長い時間をかけてご葬儀を行います。他の仏教宗派の儀式が約30分ほどで終わるのに比べ、曹洞宗は約1時間ほど儀式に時間を要します。
曹洞宗は他の禅宗系のご葬儀と比べ、多くの僧侶がご葬儀に携わることが多いです。
最近は導師だけが儀式を進行する形のご葬儀が増えてきていますが、曹洞宗は葬儀社やご当家の事情にもよりますが、導師が1名と脇導師が2名という組み合わせで儀式の進行することが多い傾向にあります。また曹洞宗と臨済宗は他の宗派のご葬儀にくらべて、独特な儀式の流れの他に、独特な仏具で儀式の進行を行います。
曹洞宗は儀式の中に鼓鈸三通(くはつさんつう)というものがあります。
また手磬(しゅけい)・太鼓・鐃鈸(にょうはつ)の仏具で音を立てて故人様の魂の邪気を払う儀式があり、チンボンジャランやチンドンジャランと言われたりします。
曹洞宗のご葬儀には、故人様の新たな旅立ちを手助けして見送る意味合いがあります。
曹洞宗は儀式の流れとして大きく4つの内容に分けることができます。
1つ目の内容は、お亡くなりになられた故人様を仏様の弟子にするための準備の儀式です。
2つ目はお亡くなりになられた故人様の生前に犯した罪を反省し、改めることで故人様の魂を成仏し魂を清める儀式です。
3つ目はお亡くなりになられた故人様を仏様の弟子にするために、仏様の教えに従っていくことを仏様に誓う儀式です。
4つ目は仏様の弟子となられた故人様の修行を助けてもらえるよう、仏様に祈願し故人様を見送る儀式です。
導師と脇導師が入場します。
導師が剃髪の偈(ていはつのげ)を唱え、故人様の仏様の弟子になられる準備をします。
お亡くなりなられた故人様が生前の罪を反省します。
身を清める儀式になります。
お亡くなりなられた故人様が仏様の弟子になり修行することを誓います。
仏様の修行にて、故人様が修行の道を踏み外さないようにする儀式になります。
お亡くなりになられた故人様が、仏様のお弟子になられたことを確認します。
現在の曹洞宗のご葬儀ではお通夜や告別式の殆どが、故人様が棺に入棺された状態で儀式が行われるため、入棺諷経(にゅうかんふぎん)という儀式が省略されることが多いです。
参列者のお焼香は、回向文と呼ばれるお経が読まれる間に行います。
焼香後に棺を閉じる儀式として、龕前念誦(がんぜんねんじゅ)に移るのが本来の曹洞宗の葬儀儀式になりますが、これも現代では省略されることが多いです。
手磬(しゅけい)・太鼓・鐃鈸(にょうはつ)の仏具を使い、大宝楼閣陀羅尼(だいほうろうかくだらに)を唱えます。
導師がお亡くなりになられた故人様の生前を漢詩で表し、線香を使って右回・左回りに円を描いて故人に引導を渡します。
本来は松明を使いますが、現代では線香か仏具を使って円を描くのが一般的です。
お亡くなりになられた故人様が仏様の弟子になられたあと、成仏できるようにお願いする儀式です。
このときに手磬(しゅけい)・太鼓・鐃鈸(にょうはつ)を鳴らして魂を送ります。
焼香は必ずしも正しいと言われる作法や考え方があるわけではありませんが、宗派によって異なります。曹洞宗の焼香手順は、一般的な手順と同じになります。
また、葬儀社によっては廻し焼香でされることもありますが手順は変わりません。
曹洞宗は2回焼香し、1回目の焼香を主香(しゅこう)と言い、2回目を従香(じゅうこう)と言います。
※おします
おしますとは正式には「おいしただく」が正式な言葉になります。
つまんだお香に"お祈り"を込めることを言います。
実際に額に押すわけではなく、額の近くまでお香を持っていく動作のことを言います。
曹洞宗の正式な本式数珠は108珠と親珠を2珠と四天珠を4珠を使用し、百八環金と言われる金属のリングが数珠に通してある数珠が本式数珠とされています。
曹洞宗で本式数珠とされている数珠は、一般的な「本式数珠」や「略式数珠」とは少し違う数珠が使用されます。しかし、必ずしも当家や参列者が曹洞宗の正式な本式数珠を用意する必要はありません。
ご葬儀中は数珠は基本的には左手にかけ、合掌する際は右手を添えるようにして合わせます。
曹洞宗では他の宗派との違いはなく、一般的な不祝儀用の水引を結んだ袋(香典袋)に包んでお渡しします。
曹洞宗では香典袋の外袋には水引の上に「御霊前」、または「御香典」と記入された香典袋を用意します。もし書いていない場合はご自身で記入し、名前は水引の下中央にフルネームで記入します。
香典袋に書くときは他の宗派と同じく、薄墨で書きます。また夫婦や連名で香典を包む場合も他の宗派と同じように書きます。
香典の外袋の水引の下にフルネームで記入します。
会社・部署・団体で出す場合は、一番右側に会社名・部署名・団体名を記入し、位の高い順に左からフルネームで記入していきます。
上下関係や位がない時はとくに決まりがないため五十音順で書きます。
香典を包むときは3名までがマナーとされていますが、4名以上になるときは「〇〇一同」か「職場名・代表者名・他一同」と書きます。
香典を包んだ全員の便箋を別に用意し、氏名・住所・金額を記載し、香典袋の中に一緒に入れます。
香典袋の外袋の中に中袋を用意します。
中にお金を包んで金額を記入して裏に郵便番号・住所・氏名を書きます。中袋の表面は旧漢数字を使って縦書きで書き、必ず「金〇〇圓」と記入します。
曹洞宗のご葬儀で包む金額の相場は、約20~60万円程とされています。
相場は地域やご葬儀の規模や脇導師の人数によっても相場が異なるため、お布施の包む金額は一度お寺や住職とご相談してお考えください。
近年の曹洞宗のご葬儀では、出棺の日と同日に初七日法要をされる場合が多いです。
初七日法要を一緒にされる場合では、ご葬儀のときに包んだ金額も含めてのお布施としてお渡しする場合もあれば、お寺によって初七日法要は別にお布施を包む場合もあります。
曹洞宗の法要で初七日法要のお布施を別で包む場合は、相場が3万円前後を包むのが相場とされています。
曹洞宗のお車代は僧侶をお呼びした人数によって包む金額が変わりますが、僧侶1人あたりの相場は5000円~10,000円とされています。
また、僧侶の移動に斎場までのタクシーを遺族側で手配した場合は、基本的にはお車代を包む必要はないとされています。
御膳料は、僧侶が精進落としの席に列席されない場合に包むものになります。
曹洞宗では相場として5,000円~20,000円が相場とされています。
曹洞宗のご葬儀の基本的な流れは、禅宗系の他の宗派のご葬儀と同じような形で進みます。
参列者の方は、他の宗派のご葬儀の作法やマナーがわかっていれば困ることはありません。
ご当家様も、お亡くなりになられた故人様送り出すという意味を込めてしっかりと曹洞宗の儀式の内容を把握することで、心をこめて故人様を送り出すことができます。
曹洞宗でも地域やお寺によっては多少の違いがある場合があるため、葬儀社やお寺に確認することをおすすめします。
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