ご葬儀用語集

ご葬儀用語集:ら行

臨済宗(りんざいしゅう)

臨済宗は日本や中国における禅宗の一派で、今から1200年ほど前の中国・唐の時代に臨済義玄(りんざいぎげん)という僧によって開かれました。

日本には栄西によって今から800年前に中国からもたらされ、当時の鎌倉幕府や後の室町幕府からも厚い支持を受けて繁栄しました。その後、一時的に衰退したものの江戸時代になり、白隠によって再興がなされ、建仁寺派や東福寺派など様々な分派を持ち現在に至ります。同じ禅宗である曹洞宗がただひたすら悟りの境地を得るために座禅をするのに対して、臨済宗は「公案」と呼ばれる仏教思想上の命題を座禅をする時に与えられ、それの答えを求めるために座禅をするという違いがあります。臨済宗でよく読まれる経典は「開経偈」、「三帰戒」、「般若心経」などです。また本来的には臨済宗のお寺の本尊は釈迦如来とされていますが、お寺によっては阿弥陀如来や観世音菩薩などもあり色々です。自宅に臨済宗の仏壇を祀る際には菩提寺ともご相談して本尊等を決めると良いでしょう。日々のお勤めでは臨済宗では「南無釈迦牟尼仏」と唱えますが、阿弥陀仏が本尊の臨済宗のお寺では浄土真宗のように「南無阿弥陀仏」と唱えたり一様ではないようです。

霊安室 (れいあんしつ)

病院や警察、葬儀社などで、遺体を一時安置する場所のことを霊安室と言います。

病院の霊安室は職員がお別れをする短期間のご安置場所です。警察の霊安室は検視や検案を行うことを目的としています。葬儀社の霊安室はご葬儀を行うまでの仮安置所となります。

六文銭(ろくもんせん)

六文銭とは、冥銭の一種であり、死者が三途の川を渡るときに使用する渡し賃のことを言います。

通常は死装束の1つとして捉えられ、首に掛ける頭陀袋(ずだぶくろ)の中に入れます。言い伝えでは、三途の川の畔には衣領樹(えりょうじゅ)があります。そこに奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)という老人がいるそうです。三途の川を前にして、六文銭を持たない死者がやってくると、衣類を剥ぎ取ってしまいます。このようなことにならぬよう、故人様に六文銭を持たせるという習慣ができました。六文銭のような冥銭(めいせん)という習慣は、日本だけではなく、様々な国々で行われています。霊界に行くためには紙幣が必要である価値観念が伴い、このような文化が生まれたようです。

本来は、本物の貨幣を使用していましたが、火葬文化のある日本では、炉内に金属類を入れることが禁じられたため、六文銭を模して印刷した紙が代わりに使用されています。頭陀袋に入れる六文銭ですが、地方によって様々です。紙幣だけでなく、握り飯を入れたり、近しい人の髪の毛や爪、たばこなどを入れる場合もあります。ご自分の住まわれている地域では、どのような物を入れる習慣があるか、事前に把握しておくと良いでしょう。